PFC と LLC (力率補正とインダクタ インダクタ コンデンサ)

PFC & LLC

TI の PFC/LLC コントローラを使用して、効率の向上、THD の低減、電力密度の向上を実現

ゼロ電圧スイッチング (ZVS)、ノイズ耐性、最適化済み負荷特性の利点をご確認ください

TI の PFC (力率補正) コントローラと LLC (インダクタ インダクタ コンデンサ) コントローラを組み合わせると、100W ~ 2kW の範囲の電源で、優れた性能を実現できます。TI の各種 LLC コントローラは、ゼロ電圧スイッチング (ZVS)、低 EMI (電磁干渉)、高いスイッチング周波数 (fSW) 対応能力、最適化済み負荷特性などの特長があり、可聴ノイズ特性とノイズ耐性が優れているほか、いくつかの機能を内蔵しているため、開発中のシステム設計をシンプルにできます。スイッチ モード電源で TI の PFC コントローラを採用すると、高効率、スタンバイ時間の短縮、優れた力率、歪みの改善を実現できます。

主な PFC/LLC コントローラ

アナログ PFC (力率補正) と LLC (インダクタ インダクタ コンデンサ) の各コントローラを使用して、効率的な電源を実装

多様な領域とトポロジで歪みを低減できる、力率の高い AC/DC 電力変換

力率補正 (PFC) システムは、パワー ディストリビューション システムの負荷を低減し、規制規格に適合するのに役立ちます。TI の PFC IC を採用すると、電圧と電流を高精度でセンシングし、全高調波歪み (THD) を最小化する方法で、力率を高めることができます。

TI の PFC コントローラ ソリューションを採用すると、バースト モードで軽負荷時の効率が向上し、性能またはシンプルさを重視して最適化済みのサブトポロジを実装することができます。たとえば、密度、発熱、電磁干渉 (EMI) の要件に応じて、単相またはインターリーブの各アプリケーションに適したいくつかの PFC コントローラが存在します。

リファレンス デザイン
5G テレコム整流器向け、効率が 95% 超の 1kW アナログ制御 AC/DC のリファレンス デザイン
54VDC で 1,000W を出力するこのリファレンス デザインは、5G テレコム向け電源や産業用 AC/DC 電源を想定しています。このシステムは電流の全高調波歪み (THD) が小さく、30% 負荷時に THD は 12% 未満、50% 負荷時に 8% 未満、100% 負荷時に 5.5% 未満です。
関連資料
大電力コンバータ向けのインターリーブ PFC プリレギュレータ
インターリーブ PFC プリレギュレータを採用すると、全体的な磁気素子の体積が小さくなり、昇圧コンデンサ内の実効 (RMS) 電流を低減できるという付加的な利点もあります。このトピックでは、インターリーブ PFC プリレギュレータのいくつかの利点を評価します。 
PLC に関する主な製品
UCC28070 アクティブ 2 相インターリーブ連続導通モード (CCM) PFC コントローラ
UCC28065 アクティブ 高周波スイッチング対応、Natural Interleaving™ 遷移モード PFC コントローラ
UCC28180 アクティブ 拡張済みのスタートアップと過渡応答、18kHz ~ 250kHz CCM PFC コントローラ

高い DC 電圧を、それより低い DC 電圧に変換すると同時に、電力密度、効率、安定性を高めることができます

スイッチ モード電源を使用する、ライティング (照明)、サーバー、コンシューマの各アプリケーションで LLC (インダクタ-インダクタ-コンデンサ) トポロジを採用すると、ハード スイッチング PWM (パルス幅変調) 変調器を使用する場合に比べて、EMI (電磁干渉) のフットプリント (大きさ) を低減できる、という特長があります。多くの LLC コントローラはゲート ドライバを内蔵しており、ソフト バースト モードに移行するときや同モードを終了するときに X キャパシタ放電機能を使用できる、あるいは標準的な保護機能を搭載している、などの特長を実現しています。

最新の DC/DC システムが必要としているのは、より多くの機能の統合、共振周波数の引き上げ、高度な制御補償と保護機能、最適化済みのバッテリ充電方式です。アーキテクチャのトレードオフや、自動運転車向けの機能安全規格への対応を理由として、自動車とチャージャの分野で LLC コントローラの新しい使用事例が登場しつつあります。TI の LLC コントローラ製品ラインアップは、これらの課題に対応できます。

リファレンス デザイン
ユニバーサル入力、500W、CC/CV (定電流 / 定電圧)、電動自転車向けチャージャのリファレンス デザイン
CC/CV (定電流 / 定電圧) チャージャは、115VAC 入力時に 92.9% の効率、230VAC 入力時に 93.50% の効率を達成します。このデザインは、出力電流に基づく充電ステータスの表示機能と、ファン制御機能を搭載しています。
リファレンス デザイン
300W 薄型プロファイル LLC (インダクタ インダクタ コンデンサ) のリファレンス デザイン
銅箔 1 層 PCB (片面基板) に同期整流機能を実装した LLC は、385V 入力で動作して、22.5V 出力で 13.5A 以下の負荷を駆動し、無負荷時に 1% 未満の出力リップル、無負荷から全負荷への過渡時に出力電圧偏差 3% 未満という特性を達成します。
LLC に関する主な製品
UCC25660 アクティブ 広い VIN (入力電圧範囲) と VOUT (出力電圧範囲)、750kHz、LLC (インダクタ インダクタ コンデンサ) コントローラ

設計と開発に役立つリソース

リファレンス・デザイン
ユニバーサル入力、430W、電動工具チャージャのリファレンス デザイン
このリファレンス デザインは、ユニバーサル入力で動作し、430W の定電流 (CC) と定電圧 (CV) を供給する、電動工具アプリケーション向けチャージャです。このリファレンス デザインは、トリクル充電モードで 0V ~ 12.5V、フル充電モードで 7.5V ~ 22.5V の出力電圧範囲をサポートしています。トリクル充電モードでは力率補正 (PFC) はディスエーブルになり、インダクタ インダクタ コンデンサ (LLC) は低消費電力モードになります。その結果、無負荷時のスタンバイ電力は 115Vac 入力時に 174mW、230Vac 入力時に 325mW です。このリファレンス (...)
リファレンス・デザイン
300W 薄型プロファイル LLC (インダクタ インダクタ コンデンサ) のリファレンス デザイン

このリファレンス デザインは、1 層の銅箔を使用するプリント基板 (PCB)、つまり片面基板に実装したハーフ ブリッジ共振コンバータを提示します。この基板は、385V の入力で動作し、22.5V の絶縁型出力で最大 13.5A を負荷に供給します。このデザインは、ハーフ ブリッジ LLC コントローラである UCC256603 と、同期整流器 (SR) コントローラである UCC24612 で構成されており、95.76% のピーク効率を達成します。PMP23463 は、無負荷時に 1% 未満の出力リップルを達成し、無負荷から全負荷までの過渡期間中に 3% 未満の出力電圧変動を達成します。

リファレンス・デザイン
ユニバーサル入力、500W、定電流 / 定電圧、電動自転車向けチャージャのリファレンス デザイン
このリファレンス デザインは、ユニバーサル入力を受け入れ、7A、71.4V の定電流 (CC) と定電圧 (CV) を供給する、電動自転車アプリケーション向けチャージャです。このリファレンス デザインは、115Vac 入力時に 92.93% のエンド ツー エンド ピーク効率、230Vac 入力時に 94.50% のエンド ツー エンド ピーク効率を実現します。このデザインは、出力電流に基づく充電ステータスの表示機能と、ファン制御機能を搭載しています。このリファレンス デザインは、UCC28180、UCC256603、UCC28910、TL103W の各デバイスを使用します。

技術リソース

ビデオ
ビデオ
電動工具の充電と LED ライティングの各アプリケーションで出力範囲の広い LLC を実装
このビデオ セッションは、LLC を使用して可変出力電圧を実現するための実践的な実装と設計上の検討事項を解説しています。
ビデオ
ビデオ
適切な PFC トポロジを選択する100W ~数 kW
このセッションでは、一般的に使われている 6 種類の PFC トポロジの主な機能とトレードオフについて説明します。
アプリケーション・ノート
アプリケーション・ノート
Improving ZVS and efficiency in LLC converters
このアプリケーション レポートでは、整流ダイオードの置き換えに同期整流コントローラ (SR) 活用した LLC コントローラの効率改善を紹介します。
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